生活の工夫と対応

困った行動への対処法は?

本人の気持ちを理解して受け入れ、適切に対応することでトラブルを避けることもできます。

家族や介護者の悩みで多いのが、妄想、無目的に歩き回る、攻撃的になるといった行動・心理症状(BPSD)です。
これらの症状は、身近で介護に携わる最も世話をしている家族に対して現れやすい傾向があります。本人の気持ちを理解して受け入れ、適切に対応することでトラブルを避けることもできます。

下記に対応の仕方をいくつかご紹介しますが、困ったときは抱えこまずに、かかりつけ医や専門医、ケアマネジャーなどに相談しましょう。

もの盗られ妄想

お金や貴重品を盗られたと思い込み、誰かが盗んだと訴えることがあります。
家族としては気分を害することもあるかもしれませんが、言い分を頭から否定したり、対立したりはしないで、まずよく話を聞きましょう。
「おやつを食べましょう」などの声かけをして、気持ちをほかに向かわせる工夫も効果的です。

無目的に歩き回る

無目的に歩き回る行動は、目的を忘れてしまう、自分の居場所がわからなくなり不安が強まるなどの理由から起こります。
日ごろから名前や連絡先がわかるものを身につけてもらったり、最寄りの交番などに相談して、保護されたときに連絡してもらえるようにしておきましょう。

攻撃的になる

病気の進行によりいろいろなことがわからなくなったり、できなくなったりすることへの不安や焦りなどから、興奮しやすくなり、かんしゃくや暴力を起こしてしまうことがあります。そのときは否定したり叱ったりせず、本人を追いつめないようにすることが大切で、普段から安心できるような対応や環境を心がけることが予防になります。
かんしゃくや暴力が始まってしまったら、落ち着かせることを最優先に考えましょう。

失禁

トイレが間に合わなくても失敗をなじってはいけません。
寝る前に定期的にトイレに誘う、貼り紙をして夜は照明をつけトイレの場所をわかりやすくするなど工夫しましょう。

認知症「いっしょがいいね」を支えるガイドブック(監修:横浜総合病院・横浜市認知症疾患医療センター センター長 長田 乾 先生)より

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